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訪問看護の集客は、利用者ではなくケアマネに向けて書く

訪問看護の集客は、利用者ではなくケアマネに向けて書く

利用者は、あなたの事業所を探していない

まず、集客の入口の構造から確認します。

介護保険を使って訪問看護を利用する場合、原則としてケアマネジャーが作成するケアプランが必要です。利用者や家族が「この訪問看護ステーションにお願いしたい」と検索して直接申し込む、という流れは主流ではありません。ケアマネジャーが候補を挙げ、利用者に提案し、そこから選ばれる。これが実際の入口です。

ここを取り違えると、ホームページの作り方が根本からずれます。利用者向けに「安心してお任せください」「心のこもったケアを」と書き連ねたサイトは、そもそも一次的な読み手に向いていない。読まれないというより、読む必要がない情報が並んでいることになります。

もちろん、家族が事前に調べる場面はあります。ケアマネに勧められた事業所を、あとから検索して確認する。だから利用者・家族向けの情報が不要なわけではありません。けれど最初に開くのはケアマネで、その人が候補に入れなければ、家族の目に触れる機会自体が生まれない。優先順位は明確です。

そしてもう1つ、見落とされやすい入口があります。病院からの退院支援です。

訪問看護は介護保険だけでなく、医療保険でも使われます。入院していた方が自宅に戻るとき、病院の地域連携室や退院支援を担当する看護師、医療ソーシャルワーカーが、地域の訪問看護ステーションを探して調整します。このルートでも、探しているのは利用者本人ではありません。

つまり訪問看護の集客には、ケアマネと、病院の連携部門という2つの入口がある。どちらも専門職で、どちらも複数の候補から選びます。そして両者が知りたいことは、ほぼ同じです。この人を任せられるか、いつから入れるか、何ができるか。だから対策も1つで足ります。専門職が判断できる情報を、きちんと出す。これに尽きます。

ケアマネが見ているのは、この6つ

では、ケアマネジャーは何を見て候補を絞るのか。地域や利用者の状態によって変わりますが、繰り返し出てくる判断材料はおおむね次の6つです。

訪問できるエリア。どこまで行けるのか。これが合わなければ、他がどれだけ良くても候補になりません。対応できる医療処置。がん末期、難病、人工呼吸器、褥瘡、看取り。医療依存度の高い利用者を任せられるかどうかは、経験のある看護師が在籍しているかで決まります。24時間対応と緊急時の体制。夜間や休日に何かあったとき、誰がどう動くのか。主治医や在宅医との連携。指示書のやり取りがスムーズか、報告が的確か。訪問の頻度や時間の柔軟性。急な追加や変更にどこまで応じられるか。そしていま受けられるかどうか、つまり空き状況です。

これらは全部、事実です。理念でも姿勢でもありません。ケアマネは複数の利用者を同時に担当していて、日々かなり忙しい。その中で、限られた時間で候補を絞る。だから判断できる材料が揃っていない事業所は、悪いと思われる以前に、検討の対象にならないまま流れていきます。

「安心・丁寧」は、判断材料にならない

ここが多くのサイトでいちばんもったいない部分です。

「安心のケア」「丁寧に寄り添います」「利用者様に笑顔を」。こうした言葉は、書いていることが間違っているわけではありません。ただ、どの事業所も同じことを書いているので、比べる材料になりません。ケアマネから見れば、5つの候補が全部「安心・丁寧」と言っている状態です。そこから選べと言われても選びようがない。

代わりに、具体を書いてください。「がん末期の方の看取りに対応した実績があります」「人工呼吸器の管理ができる看護師が在籍しています」「土日祝も訪問しています」「◯◯市の全域と、△△市の一部に伺えます」。事実を並べるだけで、比較の対象になります。

そして重要なのは、できないことを書いてもいいということです。「小児は現在対応しておりません」と明記されていれば、ケアマネはその時点で判断できます。問い合わせて断られるより、はるかに親切です。書いていない=分からないなので、対応範囲を明示するほど、当てはまるケースで確実に候補に残ります。

もうひとつ、空き状況は書けるなら書く価値があります。「現在、新規のご依頼を受け付けています」の一行があるだけで、ケアマネの選択肢に入りやすくなります。埋まっているなら、その旨を出しておくほうがお互いの時間を守れます。

書き換えのイメージを1つ挙げます。

たとえば「経験豊富な看護師が、安心のケアをお届けします」という一文。悪くはありませんが、判断材料がありません。これを「急性期病棟の経験がある看護師が在籍し、人工呼吸器の管理や、がん末期の方の看取りに対応しています」に変えると、読んだ側が「この利用者さんを任せられるか」を判断できます。長さはほとんど変わりません。

同じ要領で、「地域に密着して」→「◯◯市全域と、△△市の北部に伺っています」。「柔軟に対応します」→「土日祝も訪問しています。急な追加のご依頼も、可能な範囲で調整します」。「24時間安心」→「夜間・休日は当番の看護師が対応します。オンコールは月◯件程度です」。

抽象を具体に置き換える。やることはそれだけです。

検索されるのは「地域名 + 訪問看護」

ケアマネジャーが事業所を探す方法は、実際には複数あります。日頃のつながり、地域包括支援センター、他の事業所からの紹介。ただ、知らない事業所を新しく探すとき、あるいは知っている事業所を確認するとき、検索は使われます。

そのとき打たれるのは、たいてい「地域名 + 訪問看護」です。「◯◯市 訪問看護」「△△区 訪問看護 24時間」。ここで出てこなければ、そもそも土俵に乗りません。

だから訪問看護のWeb集客では、Googleビジネスプロフィールと、対応エリアの明記が効きます。地図上に出てくること、そして開いたときに「うちのエリアだ」と分かること。この2つが揃って初めて、先ほどの6つの判断材料を読んでもらえる段階に進みます。

あわせて、事業所名で検索されたときの受け皿も整えておいてください。ケアマネが紹介を受けて名前だけ知った、というケースは多い。そこで検索して何も出てこない、あるいは古い情報しか出てこないと、それだけで印象が落ちます。

営業とWebは、役割が違う

訪問看護の集客といえば、従来は営業です。ケアマネのいる居宅介護支援事業所を回り、パンフレットを置き、顔を覚えてもらう。これは今も有効ですし、関係をつくるという意味ではWebより強いと思います。

ただ、営業とWebは役割が違います。

営業は「知ってもらう」ための手段です。一方Webは、知ってもらったあとに確認される場所です。名刺やパンフレットを受け取ったケアマネが、後日「あの事業所、どうだったかな」と検索する。担当している利用者の状態が変わって、対応できる事業所を探し直す。思い出してもらうのが営業の成果なら、思い出したあとに判断してもらうのがWebの仕事です。

訪問した回数に対して依頼が増えないなら、原因は営業側ではなく、確認しにきた人が判断できずに離れているのかもしれません。

もう1つ、正直に書いておきたいことがあります。

ケアマネジャーの判断で実際に大きいのは、地域での評判と、一度組んだ実績です。

「あの事業所は報告が丁寧」「連絡がすぐつく」「急な依頼にも動いてくれる」。こうした評価は、ケアマネ同士のやり取りや地域の会議で自然に回ります。そして一度うまく連携できた相手には、次も頼む。わざわざ新しい事業所を探す理由がないからです。関係は固定化しやすいものです。

だから正直に言えば、Webだけで新規に食い込むのは簡単ではありません。評判はケアの質と日々の対応でしか作れませんし、関係は時間でしか作れない。ここをWebが肩代わりすることはできません。

それでも、効く場面は確実にあります。その地域に新しく入るとき——実績も評判もまだない状態では、判断材料を出すことが唯一の名刺代わりになります。評判を聞いた人が確認するとき——「良いらしい」と聞いて検索し、何も出てこなければ、そこで評判は止まります。そしていつもの相手が対応できないとき——満床、エリア外、医療処置が難しい。このときケアマネは、初めて新しい候補を探します。

そしてもう1つ。「連携しやすさ」は、事前に書けます。

報告書をどのくらいの頻度で出しているか。連絡手段は電話か、FAXか、ICTツールか。日中に連絡がつくのは誰か。サービス担当者会議への出席をどうしているか。これらは組んでみないと分からないと思われがちですが、書いておけば先に伝わります。評判を作るには時間がかかりますが、その入口を短くすることはできます。

当社もグループで訪問看護ステーションを運営していて、ケアマネジャーとのやり取りは日常です。実際に「Googleの口コミが良いのを見て」とご連絡をいただいたこともあります。評判は人づてだけでなく、検索結果の中にも溜まっていくのだと思います(口コミの扱いについては別の記事で詳しく書いています)。その立場から見ても、現場が伝えたいことと、ケアマネが知りたいことは、少しずれるのを感じます。現場は「どんな想いでケアをしているか」を伝えたい。ケアマネは「この人を任せられるか」を知りたい。想いが不要なのではなく、順番の問題です。判断材料が先で、想いはその後です。

ここまでの話は、訪問看護に限りません。

訪問介護、デイサービス、福祉用具、小規模多機能。介護保険サービスは、そのほとんどがケアプランを通じて始まります。つまり入口の構造が同じです。

だから対策も同じになります。デイサービスなら送迎範囲と定員、入浴の対応、認知症の受け入れ。訪問介護なら対応エリアと、早朝・夜間に入れるかどうか。業種が変わっても、専門職が判断するために必要な情報を出す、という原則は変わりません。

明日、できること

大がかりなサイトの作り直しから始める必要はありません。

明日できることは、たった1つです。自事業所のホームページを開いて、「訪問できるエリア」が具体的に書いてあるかを確認すること。

市区町村名まで書いてありますか。「近隣地域」「相談に応じます」で止まっていませんか。そこが曖昧なままだと、ケアマネは判断できず、確実な候補から外します。まず対応エリアを市区町村名で明記する。それだけで、比較の土俵に乗ります。

そのうえで、対応できる医療処置、24時間対応の有無、空き状況へと広げていく。全部を一度に整えようとすると手が止まるので、判断に効くものから1つずつが現実的です。

そして、Googleビジネスプロフィールに事業所が登録されているか、営業時間や電話番号が最新かも見ておいてください。地域名で検索したときに出てくることが、すべての前提になります。

もし、何をどう書けば選ばれるのか一緒に整理したい場合は、訪問看護の運営支援からお声がけください。自分たちも運営している立場から、現場が続けられる形でご提案します。

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