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人材紹介に100万円払う前に。中小企業が採用を「外注」してはいけない理由

人材紹介に100万円払う前に。中小企業が採用を「外注」してはいけない理由

医療職を1人採用すると、人材紹介会社に成果報酬として約100万円が動きます。

中小企業にとって、これは馬鹿にならない金額です。そして、もっと怖いことがあります。払い続けても、自社の採用力は一向に育たないということです。

先に立場を明かします。当社自身が、人材紹介業(有料職業紹介事業)を営んでいます。そのうえで書きます。多くの中小企業は、人材紹介に「依存」すべきではありません。

なぜ、依存してしまうのか

責める話ではありません。依存には、はっきりした理由があります。

まず、創業者本人がリファラル採用(社員の紹介による採用)に力を入れていない。だから社内でもリファラルが起きない。かといって、街を歩いていて良い人材に出会えるわけもなく、ましてや医療職となると、出会う場所そのものがありません。

出会いたくても、日々の業務が忙しい。そうなると、どうしてもインターネットに頼ることになります。大手の採用サイトに掲載する——それが今の主流です。そして最終的に、人材紹介会社に依存する流れができあがります。

一つひとつは、合理的な判断です。忙しい経営者が、目の前の欠員を埋めるために紹介会社を使う。何も間違っていません。問題は、それが「一度きり」で終わらないことです。

依存が続くと、何が起きるか

紹介会社に頼るということは、採用を外注しているのと同じです。

外注している限り、社内に採用のノウハウは蓄積されません。次に欠員が出たとき、自社では採れない。だからまた紹介を通す。採用力がないから紹介に頼り、紹介に頼るから採用力が育たない。この輪から抜けられなくなります。

そして、そのたびに約100万円が出ていきます。

結果どうなるか。利益が薄くなる。採用費が嵩む。そして最悪の場合、予算がなければ採用できず、人が足りないまま事業が回らなくなる。採用コストが、経営そのものを圧迫し始めます。これは、決して大げさな話ではありません。

ただし、紹介を使うべき場面もあります

紹介業をやっている人間として、正直に線を引きます。紹介会社を使うべき場面は、確かにあります。

たとえば訪問看護には、人員基準があります。看護師の退職で基準を割ってしまえば、事業所そのものが閉鎖に追い込まれます。こういうとき——緊急度が高く、待っている余裕がないときは、紹介に頼るべきです。100万円を払ってでも、事業を止めないほうがいい。

線引きはシンプルです。緊急時は使う。通常の採用活動では使わない。

平常時の採用まで紹介に丸投げしていると、さっきの輪から永遠に抜けられません。通常の採用は、紹介を挟まず、自社で採用ブランディングを積み上げていく。これが、中長期で見れば最も効果的です。

その100万円を、どこに使うか

ここが、この記事でいちばん伝えたいことです。

人材紹介に100万円を渡すより、その予算を自社に投下したほうがいい。

今いる事業メンバーや本部に予算をつけて、ホームページを採用向けに一新する。SNSで効果的に発信する。紹介会社に一度払えば消える100万円と、自社の採用力として残る100万円。同じ金額でも、残るものがまったく違います。

外に払えば、その場の欠員は埋まる。でも、何も残らない。自社に投資すれば、時間はかかるが、二度目からは紹介に頼らず採れる体になっていきます。

最も効率がいいのは、リファラル採用

では、自社で採るために、具体的に何をするか。

中長期で最も効率がいい採用手段は、リファラル採用です。社員が「うちに来なよ」と、自分の知り合いを連れてくる。紹介フィーはかからず、しかも社員が保証している人材なので、ミスマッチも起きにくい。

ただ、リファラルは待っていても起きません。社員が思わず「うちは良い会社だ」と周りに話したくなる状態を作らないと、紹介は生まれない。

そのためにやることは、地味です。まず、社員が自社を好きになる必要があります。職場環境を整え、働きやすさを本気で作る。そして、役員自身が「この人と一緒に働きたい」と思える人格者であること。当社では、役員に対して、一緒に働きたいと思える人になれるよう、常に自分を見直すようにと伝えています。

採用ブランディングというと、外向きの発信の話だと思われがちです。でも本質は逆で、中の環境が整っていなければ、外にどれだけ発信しても人は来ません。待っていても、良い人は来ないのです。だからこそ、中を整えたうえで、対外的な活動や外部との連携も、積極的に行う必要があります。

「何から手をつければいいか分からない」経営者へ

自社採用に切り替えたいが、何から始めればいいか分からない。そういう経営者に、最初の一歩をお伝えします。

まず、ホームページとSNSを確認してください。求職者が必ず見る場所です。それが、採用したい人に向けたものになっているか。会社の雰囲気、働く人の顔、なぜこの職場を選ぶべきなのか——それが伝わる作りになっているか。多くの場合、なっていません。

次に、リファラル採用に向けて、社内環境を整備する。社員が思わず自慢したくなる会社にする。この2つが、最初の一歩です。

良い紹介会社の見分け方

最後に。緊急時に紹介を使うとき、良い会社と悪い会社の見分け方を書いておきます。

良い紹介会社は、最初から「求職者と求人のビジョンがマッチすること」を意識しています。闇雲に人を紹介せず、利益優先で動かない。「この人は、御社のこういうポジションで、こう役に立つと思います」と、明確に提示してくれる。

そして、レスポンスの速さ。これも良い会社を見分ける大きなポイントです。

逆に、とにかく人数を送り込んでくるだけ、なぜその人なのかを説明できない、返信が遅い——そういう紹介会社は、避けたほうがいい。

まとめ

人材紹介は、緊急時の頼れる手段です。当社もその役割を担っています。でも、通常の採用まで依存してしまうと、採用力は育たず、100万円が出ていき続けます。

その100万円を、外に払い続けるのか。自社の採用力に投資するのか。この選択が、数年後の経営を大きく変えます。

当社は、医療・介護の事業者向けに採用の支援組織づくりの支援を行っています。紹介して終わり、ではなく、自社で採れる体になるところまでを一緒に考えます。

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