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交流会で人を採ろうとすると、たいてい失敗します

交流会で人を採ろうとすると、たいてい失敗します

採用目的で行くこと自体は、問題ありません

採用に困って、医療職が集まる交流会や勉強会に足を運ぶ。これはまっとうな行動だと思います。

求人媒体には出てこない人に会える場所ですし、そもそも母集団は探し始める前に作っておくものです。その意味では、正しい方向にいます。

ひとつ整理しておくと、医療職が集まる場にはいくつか種類があります。職能団体の集まり、地域の多職種連携会議、テーマ別の勉強会、そして異業種も混ざる交流会。

採用の観点で効きやすいのは、後ろ2つだと思っています。前2つは所属や立場で来ている人が多く、その場では「〇〇病院の誰々」として振る舞っているので、個人としての話になりにくい。一方、勉強会や交流会は自分の意思で来ているので、キャリアの話にも自然に触れます。

ただ、そこでの振る舞いを間違えると、一度で終わります。しかも本人はたいてい気づきません。その場では誰も指摘しないからです。

当社は医療職の交流会を毎月開いている側でもあります。主催者の立場からは、参加者の動きがよく見えます。誰がどう動いて、周りがどう反応しているか。そして次回、その人を呼ぶかどうかも、そこで決まっています。

書きにくいことも含めて、その視点から書きます。

主催者が警戒するのは、2種類の人です

たくさん来る人の中で、こちらが構えるのは2種類だけです。

1つは、参加の目的が曖昧な人。何をしに来たのかが分からない。話していても、何を求めているのかが見えてこない。悪意はないのですが、場に馴染みません。目的がないと、その人が誰と何を話せばいいかを主催者側も判断できない。結果として、ずっと一人でいることになります。

もう1つは、目的を隠している人。こちらのほうが問題です。

採用目的で来ているのに「勉強しに来ました」と言う。名刺交換のときだけ法人名を出して、あとは濁す。隠されると、こちらは推測します。そして推測は、たいてい悪いほうに振れる。「何か売り込みに来たのだろうか」「うちの参加者を引き抜きに来たのか」。

そして参加者も、同じように感じ取ります。話していて何かを探られている感じがする、というのは伝わるものです。

逆に言えば、歓迎されるのはその逆です。目的がはっきりしていて、それを隠していない人。この2つを満たしていれば、採用目的でもまったく問題ありません。

目的は、言っていいのです

意外に思われるかもしれませんが、「採用に困っていて来ました」と言ってしまうほうが、はるかに動きやすくなります。

隠すから警戒されるのであって、目的そのものが悪いわけではありません。医療機関が人手に困っているのは、その場の全員が知っていることです。隠すようなことではない。

そして正直に言うと、周りが助けてくれます。「それならあの人と話してみたら」「うちの法人も同じで苦労しています」。共通の悩みとして扱われるので、会話が始まる。

主催者としても、目的が分かっていれば紹介しやすい。「採用に困っている院長さん」と分かっていれば、同じ立場の人や、転職を考えている人につなげられます。目的が見えない人には、誰も紹介できません。

ただし、言い方には一段の配慮が要ります。「人を採りに来ました」ではなく「採用に苦労していて、話を聞きに来ました」。同じ内容ですが、前者は場を狩り場として見ていることになる。主催者が守りたいのは、参加者が安心して話せる空気です。そこを壊す人は、目的の有無に関わらず歓迎されません。

やってはいけないことは、3つです

具体的に書きます。

1つ目は、名刺を配り歩くこと。全員に配ろうとする動きは、遠目にもよく分かります。枚数を稼ぐ動きに見えた瞬間に、その人との会話は「営業」に分類されます。

2つ目は、その場で「うちに来ませんか」と言うこと。言われた側は逃げ場がありません。断りにくい状況で誘われると、その人は次からその会に来なくなります。主催者にとっては、参加者を1人失ったことになる。次回、あなたが呼ばれない理由としては十分です。

3つ目は、主催者の目的と違うことをすること。その会が何のために開かれているかを見ずに動くと、ずれます。学びの場なら学びに来た人がいますし、交流の場なら交流を求めて来ています。そこに営業や採用を持ち込むと、場の設計を壊すことになる。

この3つに共通するのは、その場を「機会」ではなく「資源」として扱っていることです。取りに来た人は、だいたい分かります。

一度で終わらせないほうが、結局は早い

では何をするか。その日は、知ってもらうだけで十分です。

どういう法人で、何をしていて、何に困っているか。それだけ伝えて、あとは相手の話を聞く。採用の話は、その場ではしない。

覚えてもらいたいなら、自院の説明より、やっていることの中身を話すほうが効きます。「訪問看護をやっています」より「3人1組で回っていて、その分だけ申し送りに気を使っています」。具体的なほうが、相手の中に引っかかりが残ります。

そして、困っていることを言えるかどうかが大きいと思います。うまくいっている話だけをする人は、感心はされても、記憶には残りにくい。「うちも同じです」と言われる話のほうが、関係が始まります。

物足りなく感じるかもしれませんが、1回で何かが決まることはほぼありません。採用は相手のタイミングに依存するので、その日たまたま転職を考えている人に会える確率は低い。期待する成果が違います。

そして、次があるかどうかで結果が変わります。同じ会に3回出ると、顔を覚えられます。5回出ると、こちらから話しかけなくても話が来るようになる。「またあの人が来ている」という状態が、いちばん効きます。

誰が行くかも考えどころです。院長や理事長が行くと、周りは構えます。現場のスタッフが行くほうが、同じ立場の人と自然に話せる。そして参加した本人にとっても、外の人と話す機会は刺激になります。採用のためだけの投資にはなりません。

可能なら、2人で行くのがいいと思います。1人だと、話す相手がいないときに手持ち無沙汰になる。ただし2人で固まらないこと。別々に動いて、あとで情報を持ち寄るのが理想です。

連絡先を交換したあとも同じです。翌日に求人票を送らないこと。あれで関係が終わります。送るなら、その日の話に関係のあるものか、何もなくていい。次に会ったときに続きが話せれば十分です。

SNSでつながったなら、普段の投稿を見てもらえる状態になったというだけで成果です。そこで何かを売り込む必要はありません。日々の様子が流れているだけで、その人の中に職場の像ができていきます。

これは紹介が生まれる状態を作る話と、まったく同じ構造です。先に関係があって、相手のタイミングが来たときに声がかかる。急ぐと、どちらも壊れます。

そして、主催する側だから言えることをひとつ。いちばん効率がいいのは、主催者と関係を作ることです。

主催者は、その場の参加者をだいたい把握しています。誰がどういう立場で、何を考えていて、いま動きそうかどうか。参加者全員と話すより、主催者と話すほうが早いというのは、実際そのとおりです。

ただし、紹介してもらえるかどうかは、その人が場を壊さないと分かってからです。主催者は自分の場を守っているので、信用できない人を参加者に引き合わせることはしません。だから順序としては、まず場に馴染む。それから主催者と話す。逆にはできません。

そして、運営を手伝うという選択肢もあります。受付でも、片付けでもいい。手伝う人は、参加者全員と自然に話せます。そして主催者から見て、いちばん信用できる立場になります。

明日、できること

新しい会を探す必要はありません。

明日できることは、たった1つです。この1年で参加した外部の集まりを思い出して、「2回以上出たものがあるか」を確認してください。

1回だけのものばかりなら、そこが現在地です。顔を覚えられていない状態で、何度も初対面をやり直していることになります。新しい会を5つ探すより、同じ会に5回出るほうが早い。

そして、次に出る日を決めてしまってください。「また機会があれば」で終わるものは、たいてい機会が来ません。カレンダーに入っているかどうかが、続くかどうかを分けます。

そして次に出るときは、目的を一言で言えるようにしておいてください。「採用に苦労していて、同じ立場の方の話を聞きに来ました」。この一文があるだけで、周りの反応が変わります。

もう1つ。その会が何のために開かれているのかを、最初に確認してください。主催者に聞いてもいいと思います。場の目的を知っている人は、外しません。そして主催者から見ても、そういう人は覚えられます。

最後に、身も蓋もないことを書いておきます。交流会に出たからといって、採用にはつながりません。

少なくとも、すぐには。この記事に書いたことを全部やっても、半年や1年では何も起きない可能性のほうが高い。けれど、知っている人が増えていくことだけは確実に起きます。そして数年後、誰かが動くタイミングで思い出してもらえるかどうかが、そこで決まります。

成果を数えるとやめたくなるので、数えないほうがいいと思っています。続けている限り、何かは積み上がっています。

もし、採用の入口をどう作るか一緒に考えたい場合は、採用・人材支援のご相談からお声がけください。交流会を主催してきた立場から、続く形をご提案します。

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